WordPressのテーマ開発で地味に面倒なもの、それが「確認のために投稿を用意する」という作業だと思います。そんな時に便利な「テーマユニットテストデータ」というものがありますので今日はこれを紹介したいと思います。
WordPress(及びテーマ)はそれそのものにコンテンツは含んでおらず、WordPressとテーマをインストールしただけではただの空っぽのサイトがあるだけになります。
しかし、WordPressを使ったサイトというのは、その中身である「コンテンツ」が入った状態ではじめて完成します。また、テーマ内部で使用しているコンテンツやタイトルを表示する各種テンプレートタグは、コンテンツがないと動作チェックもまともに行えません。
仕方ないのでとりあえず適当に「テスト」みたいな投稿を何個か用意するわけですが、これが地味に面倒くさい。文字のサイズをいじった場合だったり、想定外の長さのタイトルだったり、画像のレイアウトだったりといろんなパターンを考えて行く必要があります。
そんなときに便利なのがこの「テーマユニットテストデータ」と呼ばれるものです。
テーマユニットテストデータとは
テーマユニットテストデータというのは、ここまでの話で大体想像が付くと思いますが、「WordPressを使ったサイト作りにおいて、投稿として考えられる様々なパターンが用意されたインポートデータ群」のことです。
自分も最近まで知らなかったのですが、テーマを作成する場合に便利なだけでなく、公式テーマディレクトリに登録する際にはこのデータでテストが行われるそうです。
詳細とダウンロードはCodexから確認できます。
テーマユニットテスト – WordPress Codex 日本語版
日本向けテーマでしたら、日本語版がオススメです。アドバイスなんかも日本語で書かれていますので。
公式テーマディレクトリに登録を考えている場合は、最終的に英語版で審査されるようですのでそちらで(或いは両方で)テストしたほうがいいかもしれません。
使い方
テーマユニットテストデータはWordPressのインポート用ファイルとして提供されてます。WordPressを引っ越したりするときに利用するあれですね。
ですので、ダウンロードした後、テストデータを入れたいWordPressにログインして「ツール」→「インポート」からWordPressを選択して、ダウンロードしたXMLファイルを読み込ませることで適用できます。
インポートツールをインストール
データのインポートには「WordPress Importer」というツールをインストールします(入っていない場合はインストール画面になります)
もしローカル環境で使うに当たり、「接続情報」という画面がでてきてうまく接続できない場合は、プラグインを直接ダウンロードしてインストールしてもOKです。
インポートしてみる
プラグインを有効化してから再度「インポート」ページに入ると、「Import WordPress」という画面になります。
インポートの設定
ファイルが正常に読み込まれると、このような画面に切り替わります。
これは、インポートデータに登録されている投稿を、誰の投稿としてインポートするかの設定になります。自分の投稿にするなら、セレクトボックスからユーザー名を選択すればいいし、対応するユーザーを新たに作成しながら登録することも出来ます。
何もしなければ、投稿と同じユーザーを作成しながらインポートするようです。
この辺の知識は引っ越しの時にも役に立つかもしれません。
Import Attachmentsは、チェックを入れると画像も登録されます。画像の配置テストとかもしたい場合はチェックしておきましょう。
最後に「Submit」をクリックすればインポートが始まります。しばらくかかるので気長に待ちましょう。All done.と表示されたら完了です。
テスト開始
インポートが完了したら早速テスト開始ですが、まずはメニューを設定しちゃいましょう。
メインメニューなどに「Testing Menu」をセットしておくと様々なテストへのショートカットが入っていたり、メニュー階層のテストが行えます。
この他にもいくつかのメニューが追加されていますのでいろいろ切り替えてみても良いと思います。
メニューからは様々な条件で作成された投稿や固定ページが表示されます。また、いろんなタグが入っていますのでスタイルの適用漏れがないか、レイアウト崩れが無いかなどを順番にチェックしていきます。
本文には注意するべきポイントや「こう見えていれば正しい」といった情報が書かれていますので、それを参考にスタイルシートやスクリプトなどをチェックします。例えばこんな感じですね。
あとはひたすらテスト&修正です。
他のブラウザでもチェックすることをお忘れなく。。
おわりに
実は自分もこのテストデータの存在は最近まで知りませんでした。ですが、実際試してみると自分では思いつかなかったり、見落としがちだったマークアップが結構ありましたので、やはりこういった第三者が用意した投稿データを利用するのは重要だなと感じましたので記事にすることにしました。
特に、クライアントワークで使用する場合、お客さんはどんなことをするか判りません。また、自分が普段ブログなどで使わないタグやボタンは見落としがちですが、それらをクライアントさんも使わないとは限りませんからね。
ちなみにカスタム投稿タイプ関連は、その特性上どうしても自力で何とかするしかないと思います。
とはいえ、通常の投稿まわりだけでも自動で用意できるのは助かりますね。
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